Mayaを使った3DCGを大学で学習しているときのこと。「これ、何のためにやってるんだろう・・・」と思いつつ、作った作品を実際にフィギュアとかにできればやる気も出るんだけどな・・・と思い、人生初めての3Dプリンターを購入しました。
部品がいっぱいあって組み立てから大変そうなイメージですが、意外と簡単でした。
この記事をきっかけに初心者の方や購入を迷っている方の助けにもなれば幸いです。
今回購入したもの
金額は購入時のものです。現在は変わっている可能性があります。
3Dプリンター(26,999円)
Amazonでタイムセールをやっていて、そこそこの価格に抑えられて、大満足とはいかなくても8割くらいの性能があり、フィギュアくらいの大きさはプリントできて、組み立てが簡単で、評価が良くて・・・と、色々な要素を組み合わせてコスパの良いものを選んだ結果「Sovol 3Dプリンター SV06」を購入しました。
フィラメント(各1,349円)
今回はピンクと黄色の2色を買いました。
パソコン
私はもともと持っていたので購入していませんが、Windowsパソコンが必須となります。Macでもできないことはないです。スマホやタブレット端末ではできないので注意しましょう。
3DCGを扱いますのでそこそこの性能のものを用意しましょう。
3Dプリンターとフィラメントの種類
3Dプリンターの種類
特に一般的な2種類について紹介します。それ以外にもインクジェット方式や粉末燃結方式、粉末固着(接着)方式などがあります。
【熱溶解積層方式】
フィラメントと呼ばれるひも状のプラスチックのようなものを溶かして何層にも積み重ねることで形を作ります。プリンターの精度によって、段々になることがあります。
ギアなどの部品を作るのに向いています。
今回利用する3Dプリンターはこちらの形式です。
【光造形方式】
高い精度で造形できます。液体からオブジェクトを作るため、手入れや掃除が大変です。
フィギュアなどの造形物を作るのに向いています。
フィラメントの種類
現在一般的に多く利用されているのはPLA・ABS・PET・PETGです。
これ以外にも一応種類がありますが、この4つを知っておけば困ることはないでしょう。
【PLA(ポリ乳酸)】
利用例:ギアなどのパーツ類・小物入れなどの実用品など
トウモロコシなど自然由来の素材から作られます。約180度で造形ができます。
造形時の表面が硬く、固まる際のそりなどに強いため、安定した制作を行えます。
一方で、硬いため、造形後にやすり掛けしたりがしにくく、高温に弱いです。
今回私が利用しているのもこちらのフィラメントになります。
【ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)】
利用例:フィギュアなどの造形品・細かくやすり掛けなどで調整するものなど
一般的なプラスチック製品で利用される素材です。約250度で造形ができます。
冷えると縮むため、大きなものを作るとそりなどが起こりやすいです。
強度が強いため曲げなどにも強く、造形後のやすり掛けがやりやすいです。
【PET(ポリエチレン・テレフタレート)】
利用例:ペットボトルなど
実際にペットボトルなどで利用されているのでなじみ深いでしょう。
透明性、強度、耐久性、耐熱性に長けています。
ちなみに、熱溶解積層方式の3Dプリンターでは層にして積み上げていくため、透明度は下がり、白っぽくなります。
【PETG】
利用例:シャンプーボトルや化粧水ケースなど
先ほどのPETの進化系です。透明性、強度、耐久性、耐熱性がさらに向上しています。
ペットボトルよりも厚みを持たせたり容器を繰り返し利用する商品などに利用します。
Sovol 3Dプリンター SV06の概要
印刷サイズ:220x220x250(mm)
印刷制度:±0.1mm
ノズル温度:最大300℃
利用可能フィラメント:PLA・ABS・PETG・TPU・WOOD
フィラメント直径:1.75mm
消費電力:360W
開封・組み立て
めちゃくちゃ簡単です。説明書の日本語のページを見ながらやれば必ず組み立てられます。
一応簡単に手順を記載しておきます。
1. 土台にコの字型のクレーンを溝にはめ込み、Step1のねじ4本で固定する。
2. Step2のねじ2本で電源ボックスを右の柱の後ろにつけます。
3. Step3のねじ3本でフィラメントを送る機械を取り付けます。
4. 左側にケーブルでつながっているコントロールボックスを左の柱の後ろにはめ込みます。その後、その上のロックを回転させて外れないようにします。
5. Step4のねじ2本で本体の上にフィラメントラックを取り付けます。
6. 7か所のケーブルをつなげます。形的に正しいところにしかつかないようになっています。7か所のうち1か所(Y軸用のモーター)は初めから接続されています。
7. 電源ボックスの後ろの赤いスイッチを115Vに変更します。
最後に、ノズル部分についている黒いゴム製の保護パーツを取り外します。
つけておいても使えるのでしょうが、この中でフィラメントが絡まって失敗しましたので私は外しています。
プリンターの初期設定
座標を合わせる
1. Bed Leveling → Auto Z-Align (上下の大まかな調整)
2. Bed Leveling → Auto Home → ノズル温度が120度・土台温度が60度になるまで待つ → Bed Leveling → Auto Home → Bed Leveling → Probe Z Offset → ノズルの間にA4用紙を入れて抜くときに抵抗を感じるくらいに調整する → Bed Leveling → Probe Z Offset → Store Settings (上下の詳細な調整)
3. Level Bed → Store Settings (縦横の詳細な調整)
フィラメントをセットする
Prepare → Preheat PLA → Disable Steppers を選択してフィラメントを機械に差し込みます。
ソフトのダウンロード
付属のUSBをパソコンに差し込み、その中に入っている「2.Software and Drive」フォルダーの中に入り、「Sovol3D_Cura-1.5.4-win64.exe」を開きます。(数字部分は購入時期によって違う場合があります。)
ソフトの使い方についてはこちらの記事で紹介しています。
騒音と振動
音に関してはそこまでうるさくないです。強めの扇風機くらいの音が鳴ります。
ただ、細かい振動によって騒音のようになっています。2階の床において利用すると1階の住人から苦情が来るレベルです。ただ、プリンターの足4か所に梱包されていた時に使われていた緩衝材をカットしておくことでほぼ聞こえなくなります。この状態で机の上に置けば、1階の人が耳を澄ませてももわからないレベルです。
同じ部屋の場合、振動による音はもともと気にならないため、強めの扇風機くらいの音が聞こえてきます。
寝室が違う部屋にあるなら夜間にも快適に動かすことができるでしょう。
実際に印刷する
印刷するためには3Dデータが必要になります。ソフトの使い方の記事を参考にしてあらかじめ3Dモデルを付属のUSBに保存しましょう。
左の柱に取り付けたコントロールボックスにMicroSDカード(USBから取り出す)を差し込みます。
その後、Print from Media → Mainの下の項目を選択して、プリントスタートをする。
問題発生 プリントの途中で土台からはがれる
プリンターの初期設定で紙を挟んで高さを調整する工程で私は0.004だけ高めに設定しました。これがいけなかったみたいです。
本当にコピー用紙1枚分以上の余裕はいらないみたいです。結構シビアみたいで、紙を引くときにかなり抵抗を感じるくらいの高さでちょうどいいみたいです。
フィラメントの交換
残りフィラメントが少なくなったり違う色のフィラメントに交換したいときの手順です。
1. Change Filamentを選択 → Yesを選択 → フィラメントの種類を選択
オリジナル3Dモデルの作成
私は使い慣れているMayaで制作をして、「.stl」形式で書き出しをしたものを製品に付属されていたソフトにドラッグアンドドロップして読み込みました。Mayaを「.stl」形式で書き出す方法はこちら。
一般的にはfusion 360というソフトで3Dモデルを作成する人が多いみたいです。
こちらも近々使って記事にする予定です。
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